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--年--日 スポンサー広告 こめんと- とらっくばっく-

DVD:お役立ち情報

DVD-198Z (AudioComm)
リー●ョン設定でお悩みの方へ。


「入れてみよ、さらば与えられん!」
(ずーっとインターネット調べていたが、どこにも情報がなかったのよ)
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2010年02日 日々のあれこれ こめんと0 とらっくばっく-

『浮雲』20101002




 ゆき子は明け方になつて、杉夫の夢を見た。遠い旅に出たせゐか、妙に人肌恋しくて、奈落に沈んでゆくやうな淋しさになる。ここまで来てゐながら、日本へ帰りたい気がしてならなかつた。ハンカチを口へ押しこむ時の、気忙はしい杉夫の息づかひが、耳について離れない。厭だと思ひ続けてゐた杉夫が、こんなに遠いところへ来て、急に恋しくなるのは変だと、ゆき子は、杉夫との情事ばかりを想ひ出してゐた。きつと、杉夫は淋しがつてゐるに違ひない。只、あのひとは無口だつたから、別に、こみいつた事も言はなかつたけれども、仏印へ発つ日まで、二人の関係が続いてゐた。三年も関係が続いてゐて、どうして子供が生れなかつたのだらう‥‥。そのくせ、三年の間に、真佐子の方には男の子が生れた。
 ゆき子は果てしもなく、いろいろな記憶がもつれて来る事に、やりきれなくなつて、そつと起きた。ヴェランダへ通じる硝子戸を開けると、運河はすぐ眼の前に光つてゐた。ビルマネムの大樹が運河添ひに並木をなして、珍しい小禽の声が騒々しくさへづつてゐた。もやの淡く立ちこめた運河の上に、安南人の小船がいくつももやつてゐる。石造りのヴェランダに凭れて、朝風に吹かれてゐると、何ともいへないいゝ気持ちだつた。地球の上には、かうした夢のやうな国もあるものだと、ゆき子は、小禽のさへづりを聴いたり、運河の水の上を呆んやり眺めてゐたりした。燕も群れをなして飛んでゐる。海防の濁つた海の色を境にして、何も彼も虚空の彼方に消えてゆき、これから、どんな人生が待つてゐるのか、ゆき子には予測出来なかつた。
2010年02日 林芙美子『浮雲』 こめんと0 とらっくばっく-

上さんも同意、今日の結論。

グレイスルージュ茅ヶ岳、ありゃ~うまかったな(昔、勝沼のワイナリーで買った)。


※白ね。きりりと冷やして。赤は知らん・・・(日本の赤には正直、あんまり興味がない)。
⇒そもそもいま飲めないっつーの!
2010年05日 日々のあれこれ こめんと0 とらっくばっく-

『浮雲』20101005

 早い朝食が済んで、また自動車に乗り、南部仏印での古都である、ユエへの街を指して、一行は発つて行つた。木麻黄《もくまわう》の並木道を透かして、運河ぞひの苫屋からも、のんびりと炊煙があがつてゐた。広い植民道路を、黄色に塗つたシトロエンが、シュンシュンとアスファルトの道路に吸ひつくやうな音をたてゝ走つてゐる。
 ビンの街は、人口二万五千あまりで、北部安南でもかなり重要な街だと、一行での男連中の話である。やがて、植民道路は高原のラオスにはいつて行く路と二つに分れた。時々、野火が右手の森林から煙を噴いてゐる。広い森林地帯の中のユエへの植民道路をかなり走つてから、やつと四囲に薄陽が射し始め、晴々と夜が明けて来た。陽が射して来ると、空気がからりと乾いて、空の高い、爽涼な夏景色が展けて来た。
2010年05日 林芙美子『浮雲』 こめんと0 とらっくばっく-

電子ギャラリー:軍人たちの夏2010

napoorigami201010
(島も描けばよかったな…)


一昨日だったか、帰宅したら、娘が折り紙を折ってそこに絵を描いたらしい。
船2隻。人がたくさん乗っているんだって。
それとオサカナ2匹。

ということで、父がスキャンして背景を仕立てて並べたのがこの作品。
久しぶりに親子合作。
いま聞いたら、上さんも折り紙を折るのに参加していたらしい。
お、初のファミリー作品になりました~。

子供の説明とは異なり、この絵を見ているとたくさんの顔は色白の軍人たちのような気がする。
あの釈放船長が人民解放軍の軍人だとかいうが、ホントかどうかまだ分からない。
いつかの大阪府職員の革マルお姉さんがバレてしまったごとく、決定的照合写真が出てきたら面白いなぁー!

それが出てきたときの中国の言い逃れ方によっては、向こうを応援するかもしれない(爆)。
2010年06日 これは芸術かもしれないっ!! こめんと0 とらっくばっく-

『浮雲』20101007

 第二泊目はユエで泊つた。こゝでも、一行はグランド・ホテルに旅装をといた。日本の兵隊がかなり駐屯してゐる。ホテルの前に、広いユエ河が流れてゐた。クレマンソウ橋が近い。ゆき子は、こんなところまで、日本軍が進駐して来てゐる事が信じられない気がしてゐた。無理押しに、日本兵が押し寄せて来てゐるやうな気がした。このまゝでは果報でありすぎると思つた。そのくせ、このまゝ長く、この宝庫を占領出来るものなのかどうかも、ゆき子は考へてゐるいとまもないのだ。自動車が走つてゆくまゝに、身をゆだねて、あなた任せにしてゐるより仕方がない、単純な気持ちだけで旅をしてゐた。かうしたところで見る、日本の兵隊は、貧弱であつた。躯に少しもぴつたりしない服を着て、大きい頭に、ちよんと戦闘帽をのつけてゐる姿は、未開の地から来た兵隊のやうである。街をゆく安南人や、ときたま通る仏蘭西人の姿の方が、街を背景にしてはぴつたりしてゐた。華僑の街も文化的である。都心の街路には、樟の木の並木が鮮かで、朝のかあつと照りつける陽射しのなかに、金色の粉を噴いて若芽を萌してゐた。赤煉瓦の王城のあたりでは、若い安南の女学生が、だんだらの靴下をはいて、フットボールをしてゐるのなぞ、ゆき子には珍しい眺めだつた。河のほとりの遊歩道には、花炎木や、カンナの花が咲いてゐた。河は黄濁して水量も多く、なまぐさい河風を朝の街へ吹きつけてゐた。
2010年07日 林芙美子『浮雲』 こめんと0 とらっくばっく-

押原ブログ「七人の決死隊:天安門"虐殺"前夜」連載開始いたしました!

http://oshiharajyo.blog106.fc2.com/blog-category-3.html

天安門事件から20年あまり。
当時の学生たちとの対話、現場で出合ったエピソードの数々を、戦場カメラマン押原譲氏が回顧する。

読んでくれ給へ!
2010年09日 日々のあれこれ こめんと0 とらっくばっく-

『浮雲』20101009

 旅空にあるせゐか、一行は七人ばかりであつたが、かなり自由に、解放された気持ちになつてゐる様子だつた。鉱山班の瀬谷といふ老人は、河内からずつと女連の自動車の方ばかり乗り込んで、篠井春子のそばへ腰をかける習慣になつてゐた。わざと春子の肩や膝頭に躯をくつゝけて、汗のにちやつくのもかまはずに、図々しくみだらな話をしてゐる。――サイゴンは小巴里だと言われる程、巴里的な街だと聞いて、ゆき子は篠井春子が妬ましかつた。自分もそんな美しい街へポストを持ちたかつた。きまつてしまつたものは仕方がないけれども、さうした命令が、女にとつては、顔かたちの美醜にある事も、ゆき子はよく知つてゐる。ダラットといふ、聞いた事も見た事もない、高原の奥深いところで、平凡な勤めに就く運命が、ゆき子には何となく情けない気持ちだつた。若い女にとつて、平凡といふ事位苦しいものはない。一年はどうしても勤めなければならない事も、心には重荷であつた。
 東京を発つ時、杉夫が、仏印がいゝところだつたら、俺達も呼んでくれないか、せめて内地の戦時世相から解放されたいと冗談を言つてゐたけれども、杉夫も、保険会社なんかやめて、志願してでも仏印へ来てくれるといゝと空想した。
2010年09日 林芙美子『浮雲』 こめんと0 とらっくばっく-

体育の日(旧)に雨が降るなんて。

昨日は子供の運動会が予定されていたのに中止。
案の定、午後からめちゃくちゃな雨でしたねー。

今日も午前中は小雨。
午後からようやく晴れたが、なかなか蒸発しない。秋である。

夕方、ボールを持って出ると、銀杏がわさわさと地上に落ちていた。
一角だけ銀杏の絨毯って感じ。
初めは何もにおわなかったが、そのうち子供が踏みつけたりなにやらしているうちに、あの臭いがプーンと。
足の裏にへばりつくと大変なんですよね。

そんななか、イメージトレーニングしていた「アラウンド・ザ・ワールド」2連発、を練習。
なかなか成功しなかったが、ついに左足でインサイドのアラ2連発を達成。
結局左足3回、右足2回を成功させてヘトヘト。

しかし、まだまだ進歩するのだ。
ひとり運動会、この秋も励むとするか。
2010年10日 日々のあれこれ こめんと0 とらっくばっく-

『浮雲』20101010

 ユエで一泊して、海辺のツウフン駅から、一行はサイゴン行きの汽車へ乗つた。狭い可愛い車体だつたが、二等車は案外、贅沢な設備がしてあつた。ソフアや、小卓があり、小さい扇風機も始終気忙はしく車室をかきまはしてゐる。部屋の隣りには、シャワーの設備もあつて、自動車の旅よりはずつと快よかつた。コオヒイを注文すると、まるで花壺のやうな、深い茶碗に、安南人のボーイが持つて来てくれる。こゝで、初めて、ゆき子は篠井春子と二人きりの部屋におさまる事が出来たのだ。汽車は動揺が激しく、コオヒイ茶碗の花壺のやうなしかけ[#「しかけ」に傍点]も、この動揺の為なのだと判つた。自動車の旅と少しも変らない程、砂塵が何処からか吹き込んで来るのには、二人とも閉口だつた。どんな贅沢な設備も、黄ろい砂塵の吹きこむ列車は不潔である。春子は何時の間にどうした手段で求めたのか、絹靴下をはき、洒落れたラバソールをつゝかけてゐた。そして、汽車に乗る時から気にかけてはゐたのだけれども、春子は、匂いの甘い香水をつけてゐた。ゆき子は自分が惨めに敗けてしまつた気で、学校時代のサージの制服を仕立なほした洋袴に、爪先きのふくらんだ、汚れた黒靴をはいてゐる事に、いまいましいものを感じてゐる。長い旅路で、紺の洋袴はかなり汚れて来てゐる。春子の化粧の濃くなつたのを妬まし気に眺めながらゆき子は、「篠井さんは、サイゴンに落ちつくなんて幸福だわね」と、言つた。
2010年10日 林芙美子『浮雲』 こめんと0 とらっくばっく-
  

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40年の時を超えて…復刊!

ヴィマーニカ・シャーストラ [日本語訳]

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